退職後の出産でもらえるお金・もらえないお金|出産手当金・育休給付金・国保を徹底解説

資産形成記録

退職後の出産でもらえるお金・もらえないお金|国保に切り替えた元看護師家庭が全部調べてわかったこと

PETIT FIRE × 元看護師の実体験

退職後の出産で
もらえるお金・もらえないお金

国保に切り替えた我が家が、第2子出産前に全部調べてわかったこと

「会社員時代なら出ていたお金」を知らずに損している人が実はかなり多い、という話です。

※本記事は個人の実体験・調査に基づく情報発信です。制度の詳細は自治体・健康保険組合によって異なる場合があるため、最終確認は加入先の窓口・公式サイトで行ってください。専門的な個別判断は社会保険労務士等にご相談ください。

こんにちは、はとです。

看護師を退職してから約6ヶ月。今は国民健康保険(国保)に加入しながら、プチFIRE生活を送っています。そんな中、妻のお腹の中にいる第2子がようやく安定期に入りました。

喜びと同時に頭に浮かんだのが「あれ、うちって今、会社員の頃と同じだけお金もらえるんだっけ?」という疑問でした。看護師時代は同僚の産休・育休を何度も見てきたので、なんとなく制度は知っているつもりでした。でも「自分が退職した側」で調べてみると、知らなかったことだらけ。今回、実際に自分で1つずつ制度を洗い出した結果を、正直にまとめます。

1. 会社を辞めて分かった「保険証が変わる」という現実

看護師として働いていたときは、健康保険証は勤務先の健保組合(協会けんぽ)のものでした。退職した瞬間、その資格は失われます。会社の健康保険に残る「任意継続」を選ばない限り、多くの人は市区町村の国民健康保険(国保)に切り替わります。うちもそうでした。

普段の通院ではあまり違いを意識しませんが、「出産」というライフイベントが絡むと、この保険証の違いが金額に直結してきます。ここを知らずに出産を迎えると、「会社員の頃はもらえたはずのお金」に気づかないまま終わってしまう可能性があります。

退職前後にお金の考え方を見直した経緯は、こちらの記事にまとめています。
→ 節約から投資へ切り替えた我が家の話

💡メモ📝
健康保険には大きく分けて「会社員が入る健康保険(協会けんぽ・組合健保)」と「自営業・無職の人などが入る国民健康保険」があります。出産に関する給付は、この2つで内容が変わるものと、変わらないものが混在しています。

2. 出産でもらえるお金、全体地図

まず全体像を整理します。出産にまつわる主なお金は次の4つです。

制度名 会社員(社保) 退職後(国保)
出産育児一時金 ○ 50万円 ○ 50万円
出産手当金 ○ 給与の2/3相当 × 原則なし
育児休業給付金 ○ 休業前賃金の50〜67% × 対象外
保険料の産前産後免除 ○ 健保・厚生年金とも免除 △ 一部あり(後述)

1つずつ、なぜそうなるのかを見ていきます。

3. 【もらえる】出産育児一時金50万円は国保でも満額

一番安心してよいのがここです。出産育児一時金は、加入している健康保険の種類にかかわらず、子ども1人につき原則50万円(産科医療補償制度未加入の医療機関の場合は48.8万円)が支給されます。会社員でも国保でも金額は変わりません。

多くの産院では「直接支払制度」が使えるため、退院時の窓口負担は総額から50万円を差し引いた差額だけで済みます。出産費用が50万円未満だった場合は、差額を後日申請して受け取れます。

💡メモ📝
退職後6ヶ月以内の出産で、退職日までに勤務先の健康保険に1年以上継続加入していた場合は、「以前の勤務先の健保」か「今の国保」のどちらかを選んで申請できます(両方は不可)。金額は同じなので、手続きのしやすい方を選べば問題ありません。

4. 【もらえない】出産手当金は国保だと原則ゼロ

ここが一番の落とし穴だと感じた部分です。出産手当金は、出産のために会社を休んだ間の給与の代わりとして、標準報酬日額のおよそ2/3が、産前42日・産後56日(最大98日分)支給される制度です。ただしこれは健康保険(社保)独自の制度で、市区町村国保にはこの制度自体がありません。

「退職後も出産手当金がもらえる」という情報を見かけることがありますが、これは退職日の時点ですでに産休に入っていて、かつ退職前に1年以上継続して健康保険に加入していた人が対象の例外的な継続給付です。すでに退職して国保に切り替えている状態から、新たに出産手当金を申請することはできません。

🟡私見
看護師時代、同僚が産休に入る前に「産休中もお金が入るから安心して」と話していたのを覚えています。今回自分で調べて、それが会社員という立場に付随する制度だったと実感しました。プチFIREという働き方は自由な時間と引き換えに、こういうセーフティネットを自分で用意する必要があるのだと改めて感じています。

5. 育児休業給付金はそもそも対象外という事実

育児休業給付金は雇用保険の制度です。雇用保険に加入している人(=雇用されて働いている人)が育休を取得した場合に、休業前賃金のおおむね50〜67%が支給されます。退職している、あるいは個人事業主・フリーランスとして働いている場合は、雇用保険の被保険者ではないため、そもそも対象になりません。

ここは「もらえない」というより「制度の対象外」という表現の方が正確です。裏を返せば、これから会社員として復職・転職する予定がある人にとっては、雇用保険への再加入と勤続年数の積み上げが将来の育休時の安心材料になる、とも言えます。

6. 見落としがちな「もらえる」もの:2つの保険料免除

ここまで「もらえない」話が続きましたが、国保・国民年金の側にも、実はあまり知られていない負担軽減策があります。調べていて一番「知らなかった」と感じたのがこの2つです。

免除制度 内容 手続き
国民年金保険料の産前産後免除 出産予定月の前月から4ヶ月間、定額で免除。免除期間も納付済期間として年金額に反映 出産予定日の6ヶ月前から市区町村へ届出可
国保の産前産後保険料免除 出産する被保険者本人の所得割・均等割を4ヶ月分(多胎は6ヶ月分)免除 要届出。自治体窓口へ

💡メモ📝
国保の産前産後保険料免除は2024年1月からスタートした比較的新しい制度です。「国保だから出産に関する免除は何もない」と思い込んでいる方も多いようですが、これは制度としてしっかり存在します。ただし免除されるのは出産する本人の保険料分のみで、世帯全体の保険料がゼロになるわけではない点、また原則として自分で届出が必要な点は注意が必要です。

🟢アクション
出産予定日が決まったら、まず「国民年金保険料の産前産後免除」と「国保の産前産後保険料免除」の2つを、市区町村の窓口でまとめて確認・届出してしまうのがおすすめです。どちらも出産予定日の6ヶ月前から申請できるので、安定期に入ったこのタイミングで動くのがちょうどいいと感じています。

7. 会社員のまま出産していたら、いくら差が出ていたか

あくまで一般的な条件でのイメージとして、標準報酬月額28万円のケースで試算してみます(実際の金額は個々の状況で変わります)。

項目 概算額
出産手当金(98日分・目安) 約61万円
育児休業給付金(6ヶ月分・目安) 約84万円
社会保険料免除(産休・育休期間、目安) 数十万円規模

🟡私見
数字にしてみると、思っていた以上の差でした。この金額はあくまでモデルケースの概算で、実際は標準報酬月額や休業期間で変わりますが、「会社員というだけでこれだけの保障がある」ことは、プチFIREを選んだ身として素直に認識しておくべきだと感じました。プチFIREは自由と引き換えに、こうした制度の恩恵からは離れる部分がある、という事実です。

8. 元看護師が伝えたい「今すぐやること」チェックリスト

妊娠中で退職・国保加入という状況にいる方に向けて、安定期のうちにやっておくとよいことをまとめました。

🟢アクション

  • 加入している国保・健保の窓口で「出産育児一時金」の申請方法(直接支払制度対応か)を確認する
  • 退職日までの被保険者期間が1年以上あったか、退職日が産休期間中だったかを確認する(該当すれば旧健保への出産手当金の相談余地あり)
  • 市区町村役場で「国民年金保険料の産前産後免除」の届出をする
  • 同じく役場で「国保の産前産後保険料免除」の届出をする
  • 出産手当金・育休給付金が出ない分、生活防衛資金でどこまでカバーできるか、夫婦で一度シミュレーションしておく

9. まとめ:知っていれば怖くない

退職後の出産は「もらえるお金」と「もらえないお金」がはっきり分かれます。出産育児一時金は変わらず50万円もらえる一方、出産手当金・育児休業給付金は原則対象外。ただし国保・国民年金にも、2024年から始まった保険料免除という見落としがちな支援があります。

大事なのは「知らずに損する」状態を避けることだと思います。我が家は、プチFIREを選んだ時点でこうした制度の恩恵から一部離れることを理解した上で、資産形成のペースを調整してきました。同じような状況にいる方の参考になれば嬉しいです。

※本記事は2026年7月時点の制度・情報をもとに作成した個人の実体験・調査記事です。制度は自治体・保険者・時期によって内容が異なる場合があります。正確な金額・条件は必ず加入先の健康保険・年金事務所・市区町村窓口でご確認ください。投資や制度活用の最終判断はご自身の責任で行ってください。

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